こちらは福井県小浜に建つ住宅です。敷地は180坪の大きさ。でも家はコンパクト。
又、この敷地は、道路面から1m程上がっています。この環境を生かした家が建てられました。
リビングダイニングの部屋は床を少し高くする?
施主さんとの最初の話で出てきたご希望です。道路からちょっと上がっている敷地に、さらに床を上げるとどうなるだろうか、もしかしたらそれを元に色々考えていったら面白いんじゃないかと計画が始まりました。
そこで、内部は部屋の高さがリビングから1m程下がった床と、1.5m程上がった床、2.4m程上がった床の合計4層の床レベルを設け、それら全てを吹き抜けにしました。一番上の天井には水平にスリット状の窓があり、部屋全体は日中雨でなければ照明器具なしで明るく過ごせます。
全部屋区切りなし?
トイレ、洗面、浴室以外、唯一完全に区切ることが出来る部屋は、和室です。
吹き抜けって寒くない?
この家は、殆ど部屋の区切りもなく吹き抜けです。しかも冬には雪も積もる地域です。
それでも寒くないのは、部屋の容量がそこまで大きくないから。施主さんも実際住まわれた感想は、予想以上に暖かいとのことでした。竣工後一度訪問させて頂ましたが、ごく普通の大きさの石油ヒーター一台でほとんど家全体が十分暖かかったですよ。
収納にこだわり?
今回は収納のイメージを施主さんが明確に持っていました。収納を、壁と同じ色や仕上げにしていく方法を全てにわたってして欲しいとのこと。そこで、壁面にずっと続く容量を多い収納を作りました。内部は棚の位置、高さが自由に移動できる可動棚になっています。
部屋全体に一体感があるのって憧れるけど、コストかかるんじゃない?
部屋全体に一体感があるようにというご要望も、今回キッチンは、一から製作のキッチンを提案させて頂きました。
製作のキッチンというと、特注?高そう・・・
設計の方法と製作の指示の仕方によっては安く仕上がります。特に今回は、キッチンの下はただ空いていて、あとでゴミ箱や既成の収納ワゴンを入れるようにしているので、安いのです。ちなみに浴室も製作です。
製作の浴室?
浴室は、窓越しにリビングから見えるようになっていることもあり、浴室内部も視覚的に部屋の一部となるので、これも製作の浴室にさせて頂きました。計画時にはリビングから浴室が見られてしまう抵抗感もあり、多少違和感があったそうですが、生活を始められると浴槽に入って眺めるリビングの景色は楽しいとの評価も頂きました。
一体感のある建具って?
今回は一貫して内部の様子の統一感を重視しておられたので、既成品ではなく、製作の建具に壁と同じ塗装をしていきました。まるで壁の一部のように感じられます。
柔らかな光の工夫って?
部屋の明るさは、ただ単純に窓の大きさだけではありません。部屋の壁の色が大きな決め手となります。窓が大きくても壁の色が暗ければ明るくなりにくくなります。そこで、内部の壁をつや消しの白にすることで何回も光が拡散し全体が明るくしました。直接日光にはない、ふんわりとした明るい雰囲気はとても落ち着きますよ。
道路から1m上がった敷地をどう生かしたの?
玄関へのアプローチに注目下さい。道路面からちょっと上がった敷地を上がって行き、さらに長いスロープを上がってたどり着きます。敷地面から1.5mほどの高さまで上がるので、結構な高さです。
結構な高さなら、手すりなくて大丈夫?
スロープには落下防止の手すりの代わりに、土を小山のようにスロープの方へ盛り上げて落下防止の役目をさせています。
長いスロープって素敵だけど、結構玄関までの道程が長くない?
必ずしもスロープを上がらなくても、盛り上げた土を踏んでいってもいいと自由に考えています。
この家の特徴って?
見た目は結構大きく感じられますが、実際はそこまで大きくないので空調機器の効きは良好です。又、真四角のプランを対角線上に割っていくことから始まった部屋の様子が、うまく不思議な感覚を作ってくれました。飽きの来ない空間になっていると思います。出来上がって住んでいく中で計画時に想像していた以上にいい方向へ膨らんでいく家になるのではないだろうかと思います。
お客様からの感想は?
お客様からのお手紙を紹介します。
室先生 忙しい毎日を過ごされていることと思います。
お礼が遅くなりました。ステキな写真届きました。ありがとうございました。
最近では毎週末に友達や知人が家を見せて欲しいと遊びに来てくれ、みんなびっくりしています。
人の集まる楽しい家を持つことが結婚してからの夢でした。
勇気のいる買い物でしたが素敵な出会いに感謝しています。子供さんに誇れる仕事ですね。
先生の益々の活躍を応援しています。